試合というのは勝つ時もあれば負ける時もあり、勝てば順調で、負ければ改善が必要と考えがちですが、育成年代においては、単純にそういうものではないです。
指導者の考え方次第で、勝ちにはネガティブな要素が見えずに潜み続け、負けにはポジティブな要素が隠れながら育まれていく。
勝つために、効率化を目指すあまり、普通のことしかできないように選手の思考を育て、勝たなければならないからこそ、チームの勝ちパターンの中にはめ込まれた選手に育ててしまう。
選手のベースを広げるためにはチャレンジが必要であり、指導者は負けを覚悟で試合に臨まなければならない。
そして、その負けが持つ表面的なネガティブな要素に引き込まれることなく、ポジティブな要素に選手を必ず導いていくことを、緻密に考えて導いていく必要があります。
もちろん、子ども達はその試合を本気で勝ちたいと思い試合に臨むことは大切であり、試合に負けてもいいと思っているときは、我々は戦うことの意味を彼らに教えます。
でも、子ども達が勝ちたいと思っているなら、指導者が何とかあの手この手で勝たせようとするのではなく、狙いを持って戦うことによって、彼らのベースは広がっていきます。
子ども達は、表面の心理では勝ちたいと思っていますが、心の底にある本当の願望は、
「自分は上手くなりたい!」
「自分は凄くなりたい!」
「自分は、これからも唯一無二の存在として生きていきたい!」
そして、そこに導いてあげることが指導者の役目だと思っています。